APOLLO RU-388M

2013.3.31

大変お世話になります、あるピアノの先生のご紹介で、アポロ社、RU-388M というピアノに出会いました。このピアノはかなり特殊なピアノで、多くの調律師が、まだ一度も出会ったことがない、或いは、存在すら知らない方が多い位特殊で、僕も、10何年前に、確か、大阪教育大学で、一度、出会い、それ以来2度目です。どう特殊かと申しますと、まず、アップライトピアノのペダルは3本ペダルのうち右側がダンパーペダル、真中はマフラーペダル(一部機種ソステヌート)、ここ迄はどのピアノも同じで、左のペダルはソフトペダルといい、ペダルを踏むとハンマーアクション全体が前進し、打弦距離を短くする事により、音を少しソフトに(小さく)する事が出来るペダルなのですが、このピアノは、なんとハンマーアクション及び鍵盤全体が、ペダルを踏むと右にスライドし、3本弦を叩くうちの1本を外します。これは、グランドピアノに採用される機能でして、アップライトピアノでは、ヤマハでもカワイでも、この機能は採用されていません。なぜ採用されていないか。分からないですが、おそらく、コストの問題かなと考えます。このピアノはコストが凄くかかっています。この機能に加え、オールアグラフ、ハンマーの品質、まさにグランドピアノを立てた様なアップライトピアノで、タッチ感、音もヤマハの最高機種UX500の様な線の太い、奥行きのある深い音があります。実は、このピアノの鍵盤蓋、簡単に外れません。外し方を知ってから外そうと思い、今回は外さずに調律しました。いい出会いでした。大切にしたいと思います。

このページの上へ