日本のアンティークなピアノ

2015.1.28

大変親しいピアノの先生から調律をお願いしたいと言うお客様をご紹介いただきました。この仕事をしていて1番嬉しい瞬間です。早速、お客様とアポイントをとり、お伺いさせていただきました。古いピアノだとお聞きしていましたので、どんなピアノかと楽しみに思っていましたら、パッと見はヤマハに見えなかったのですがそれは、紛れも無くアンティークなしかもワインレッドの外装で、上前板に特徴のあるとても美しくもあるピアノです。お話を聞くとオーバーホールされた古いピアノをあえて購入されたとの事。製造は昭和36年、音とし54歳です。まあここ日本における現役のピアノとしては最も古い部類に入るのだと思います。ヨーロッパにおいては、1世紀前のピアノも珍しくないのですが。ドイツに在住されるピアノ技術のマイスターの方はFacebookで、歴史的なピアノのいろんな譜面台の数々を特集されておられます。僕もパリに行った際には色んな譜面台を見かけますが、日本では特徴的な譜面台を持つピアノが数える程も無い様な気がします。まあ日本は戦争で焼けたピアノも多い事でしょうから仕方ないのかもしれません。でも今回出会ったピアノは技術的にも良いオーバーホールがされていて、調律すると当時を思わせるようなとても雰囲気のある音がします。ただ、かなり調律が久しぶりで、ピッチが下がっていたせいか、下律と言う大まかにピッチを上げる調律をする際、ベース弦が1本切れてしまい、直ぐ業者に連絡して弦を作っていただくというちょっとしたハプニングもありましたが、本当に良くなったのではと思いました。何よりお客様が喜んで下さいました。ありがとうございます。これからも宜しくお願い申し上げます。

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