こんなところで共鳴雑音?

2015.7.17

ピアノ技術者の仕事で難しい物の一つとして、「共鳴雑音」を解決することがあります。ピアノはピアノ全体が振動して鳴っている楽器であるため、ピアノの何処かで鳴っているケースと、ピアノ以外のピアノ周辺の何かに共鳴しているケースとあります。そしてこれの難しいところは、お客様が共鳴していると感じ、僕に連絡いただき、伺いますと止まっていて、僕が確認することができない事が多いというところです。確認出来ませんと何処で鳴っているか分かりません。しかし今回、お客様がおっしゃるに、グランドピアノの屋根を閉めて弾いているときに、ある時突然なり始めてそれはかなり大きな音で、ジー!っとかなり不快な雑音という事です。そして、雑音が出ているときに屋根を開けると止まるという事でした。調律に伺いました際にお聞きしましたので、調律する際には屋根を開けてするのが普通ですがこの日は、屋根を閉めた状態で実施して何とか調律している時に共鳴雑音が出てくれないものかと思いましたが出てくれませんでした。普通に考えて屋根を閉めて鳴って開けて鳴らなくなるという事は、屋根と本体との取り付けの2箇所の蝶番には22個ものネジで固定されていて、閉めている時にはそれ程テンションはかからないが、開けると相当大きな負担が蝶番にかかります。結局ネジの緩みが原因かなと想像しました。ピアノの下や周りにはものは少なくいろいろ試して見ましたがこれかなと思い、しかしこのネジを全て増し締めするにはピアノを少し動かして屋根を一旦外さねばならず、1週間後出直して運送屋さんに来てもらい増し締めをしたのですが、屋根側の蝶番の取り付けのネジがかなり緩んでいました。きっちり増し締めして取り付け、これで完全に止まってくれればいいなと思いますが、お客様も僕も何かホッとしました。

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