グランドピアノC3を1日かけて保守点検

2014.7.25

かれこれ17年、ずーっと半年に一度、定期的に調律にお伺いさせていただいていますお客様のC3を今回1日かけて念入りに保守点検させていただきました。普段の定期的な調律で、2時間少々の時間ではなかなか細かい調整などは手を入れることは出来ません。やはり調律でお伺いさせていただく限りは音が良くなったと言っていただかないことには話になりません。僕自身、これでどうだという調律をしようと思いますと90分位はどうしてもかかってしまいます。それから中を掃除したり、ここだけはと思うところを調整したりしていますとあっという間に2時間は過ぎてしまいます。今回の保守点検では僕が最も重要視していますのは、鍵盤調整です。今回に限りませんが、鍵盤の最もスムースなロスの無い動きを得ることは、ピアノの調整で最も重要です。鍵盤の動きが最適で無いところへいくら整調をしても僕は殆ど意味が無いと考えます。実際今回の保守点検でも鍵盤を全て外して見ると、鍵盤のガイドピンが支点と力点のところにあるのですが、見るからに汚れで変色してしましたし、触った感触も何と無くベトベトしていて、汚れを落とし、特殊な潤滑剤で磨いてあげると、見違えるようにピカピカにそしてツルツルになります。この鍵盤調整をするのに約2時間少々はかかります。これを完了し、鍵盤の高さを全体的に均一にし、深さを均一にするだけでも保守点検の意味は充分にあります。今回は1週間前に調律をしてありますので、それ以外だけで9時半から4時過ぎまでかかり、作業してお客様に喜んでいただけたように思います。音楽ホールのピアノでは多くのケース毎年この保守点検を実施し、普段は調律だけすればいつでもいい状態になるよう保たれています。うちのピアノは何か変だと思われていらっしゃる方、お気軽にご相談いただけたらと思います。喜んでいただけるように最善を尽くしたいと思います。

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